「社会人百合×星」を描いた読み切り作品「その日、ナイトデートなので。」を体感してほしいという話

 最近の悩みは本棚が足りなくなってきたこと、ゆりぼうです。

電子書籍で購入すればいつでも持ち運べるしかさばらないのでしょうけど本棚にビシッと本が並んでいるのを見るのが好きなんですよね。

ところで皆様の家の本棚はどのような順番で並んでいるでしょうか?

作者順に並べるか出版社順に並べるかはたまた五十音順に並べるか本のサイズで並べるかをずっと悩んでいます。本棚の配置を試行錯誤するのも紙の本ならではの楽しみ方ですね。

 

前置きが長くなってしまいましたが今回の記事は

コミック百合姫5月号に読み切り掲載されていた大沢やよい先生の

その日、ナイトデートなので。

という作品がとても面白かったのでそちらについての感想および紹介をしていこうと思います(多少ネタバレが含まれますのでお気を付けください)

 「その日、ナイトデートなので。」は省エネデザイナー×星のお姉さん社会人百合となっています。星が関わっている時点でなんかエモい気がします。

 宇宙ってだけで百合ですし、星ってだけで百合なんですよね。

 大沢やよい先生が描く社会人百合というだけで既に厚い信頼を寄せることが出来ます。これまでに幾度となく大沢やよい先生の描く社会人百合にやられた経験があるので。しかも44ページもあります。嬉しい。

 

本読み切りは、「観光業に勤めている、同世代の女の子ときゃっきゃしながら一緒に星を見ることを目標としている24歳の女、星野奈緒」「毎日仕事に追われ必要最低限の生活を日々送っている27歳のデザイナーの女、山田スピカ」の2人が村の広告を作ろうとするところから話が始まります。

 

毎日同じ日々を繰り返している山田を半ば強引に星を見に連れていく星野。

空気が読めすぎる女と空気が若干読めない女。

日常と非日常。

現実とロマンス。

 

その2つが徐々に混ざり合い、彼女の目の前には見たことのない景色が広がる。

 

見開きが欲しいところで見開きが挿入される漫画は等しく名作。

つまりこの読み切りは名作です。ここしかないというタイミングで挟まれる見開き、このページを見るためだけに購入する価値があります。

 

満天の星空の下で女と女が仰向けになりながらおしゃべりするシーン本当に大好き。寒空の下なのもとても良い。なんなんでしょうね、夜の寒空にいる女と女がとても好きなんですよね。

非日常に連れてこられて初めてを沢山教えてもらう山田。

星野にとって星を見ることは日常の出来事なのかもしれないが、同世代の女の子ときゃっきゃしながら一緒に星を見ることを目標の彼女も今夜は非日常の出来事なのかもしれない。

お互いの初めてを奪い合う2人じゃん。

 

もしかしたら山田にとっての一等星は星野なのかもしれない。

 

これまで空気を読み続け、無難な返事で会話をこなしていた山田が最後に見せる返事は破壊力大。終盤の怒涛の展開にわたしの体力ももう限界。44ページの破壊力じゃないよこれ。

 

星なんて地球のどこからでも無料で見れる、写真の星はフリー素材に見える。冒頭でそのようなことを思っていた山田の心境の変化が短いページ数でここまできっちりと描かれているの本当に凄い、大沢やよい先生は天才なんだと思う。

 

「星を見上げて、恋に落ちる」

 

 いつしか山田も星野と一緒に星を見に行くことが非日常ではなくて日常の1つに組み込まれていくのかな。

星について色々と勉強はするけど星野の解説を聴くのが好きでずっと説明を聞いてそうな山田、容易に想像がついてしまいますね。

2人の今後を想像するだけでワクワクが止まりませんね、2人の明日は明るいのだから。

 

 

大沢やよい先生と言えば先日完結した『ハロー、メランコリック!』もとても面白かったのでそちらもおススメです。思いやりにあふれたヤンキー女のことを見てくれ。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。